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人気YouTuberのヒカルさんがコスメブランド「ReZARD beauty(リザードビューティー)」を立ち上げ、話題となりました。今回は、この「ReZARD beauty」の商品について、実際に数々のクライアントと商品開発をしてきた私が、成分面を中心に解説していきます。
「ReZARD beauty」とは
「ReZARD beauty」は、ヒカルさんが自身が広告塔になることで広告費を削り、圧倒的に良いものを、圧倒的に低価格で提供するというコンセプトのブランドです。
化粧品製造会社の「サティス製薬」とコラボし、ヒカルさんと門りょうさんのCMも話題になりました。
しかし、商品の全成分を公開しなかったことで、「詐欺ではないか」と炎上もしてしまっていました。
「ReZARD beauty」コスメ総評

コスメ発売動画でヒカルさんは、「1本1万円を超えてもおかしくない質のもの」という旨のことを仰っていましたが、実際は、とても1本1万円に相当するような商品にはなっていません。
容器には高級感があるものの、コスメに詳しくないヒカルさんがプロデュースしたということもあり、こだわりが感じられず、良い成分が入っているわけでもない商品になっています。
また、さっぱりタイプの「CRISP LINE」と、しっとりタイプの「MOIST LINE」のアイテムラインナップが異なるため、両方のラインを購入しないとスキンケアが完了しない建付けになっています。
かずのすけさんも解説!
美容化学者として有名なかずのすけさんも自身のYouTubeチャンネルで、「ReZARD beauty」の商品について解説しています。
- コスパが良いとは言えない
- 特に洗顔料、セラム、ローションは、ドラッグストアで安く売られているものと変わらない
- 全体的に低刺激に作られてはいるが、このレベルの低刺激製品はいくらでもある
こちらもかなり参考になるので、ぜひ視聴してみてください。
各アイテムを徹底調査!
ここからは、「ReZARD beauty」の6つのアイテムを成分面を中心に見ていきたいと思います。
CLEANSING(メイク落とし)

初めは水分ベースのクリームが、メイクと馴染ませると油分ベースのクリームに変わる転相型のクレンジングクリームになっています。
低刺激ですが、その分メイク落ちも弱く、特にこれといった美容成分も入っていません。また、クレンジングなので、洗顔料と勘違いしないようにしましょう。
- 全成分
- エチルヘキサン酸セチル / 水 / パルミチン酸エチルヘキシル / セバシン酸ジエチルヘキシル / トリイソステアリン酸PEG-5グリセリル / BG / ステアリン酸ソルビタン / ベヘニルアルコール / ステアリン酸 / ステアリン酸PEG-25 / ドデカン / ラウリン酸ポリグリセリル-10 / ステアロイルメチルタウリンNa / スクワラン / PEG-6(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズ / PEG-40水添ヒマシ油 / フェノキシエタノール / 香料 / エチルヘキシルグリセリン / 水酸化K / (アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー / ダイズ芽エキス / ヒポファエラムノイデス果実エキス / カワラヨモギ花エキス / スサビノリエキス / チャ実エキス / ビルベリー葉エキス / トコフェロール
FACE WASH(洗顔)

洗顔料に配合してあるのは珍しい「ポリクオタニウム-7」という成分が入っていますが、これは、特徴として挙げている「もっちり感のある泡」を作るためだと思われます。しかし、美容成分ではないため、肌に良い作用を及ぼすようなものではありません。
また、防腐剤として「安息香酸Na」が使われています。安息香酸Naは安価で防腐力も高いですが、高級化粧品では避けられることの多い成分であるため、あまり成分にこだわっていないのかなという印象を受けます。
全体的に、ドラッグストアで300円程度で売られている洗顔料と変わらない商品となっています。
- 全成分
- 水 / カリ石ケン素地 / グリセリン / プロパンジオール / ステアリン酸グリセリル(SE) / ポリクオタニウム-7 / フェノキシエタノール / グレープフルーツ果皮油 / エンピツビャクシン油 / レモン果皮油 / エチドロン酸4Na / 安息香酸Na / BG / ダイズ芽エキス / ヒポファエラムノイデス果実エキス / チャ実エキス
TONER(化粧水)

「ReZARD beauty」のコスメの中で最も力を入れているのが、このトナーでしょう。
「ダイズ芽エキス」という成分を配合しており、製造会社であるサティス製薬がおこなった試験では、「シワ改善」「保湿・弾力」への効果を示したとのことです。
サティス製薬の試験では、ダイズ芽エキス5%配合のものが使用されていますが、通常、化粧品に配合する植物エキスは1%程度であり、5%も配合すると刺激などの問題が出てしまう危険があります。そのため、「ReZARD beauty」の化粧水に配合されているダイズ芽エキスは、5%以下であると考えるのが妥当です。よって、サティス製薬が発表している試験と同等の効果を期待するのは難しいでしょう。
また、この試験は被験者が10人しかおらず、信ぴょう性の低いデータであると言わざるを得ません。
このように、ダイズ芽エキスの効果が十分に期待できないにもかかわらず、ダイズ芽エキス以外の美容成分が入っていないのも残念です。
参照元:株式会社サティス製薬「小野川温泉の活性型イソフラボン」
- 全成分
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・CRISP LINE(さっぱり)
水 / ダイズ芽エキス / BG / プロパンジオール / グリセリン / PEG-20水添ヒマシ油 / フェノキシエタノール / ジグリセリン / 1,2-ヘキサンジオール / トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル / ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) / PPG-6デシルテトラデセス-12 / 野菜油 / スクワラン / PEG-60水添ヒマシ油 / セテアリルアルコール / クエン酸Na / 乳酸桿菌/ブドウ果汁発酵液 / アカツメクサ花エキス / 酵母エキス / グレープフルーツ果皮油 / エンピツビャクシン油 / レモン果皮油 / クエン酸 / トコフェロール・MOIST LINE(しっとり)
水 / BG / ダイズ芽エキス / ジグリセリン / グリセリン / PPG-24グリセレス-24 / フェノキシエタノール / PEG-60水添ヒマシ油 / カルボマー / 水酸化K / キサンタンガム / 香料 / シロキクラゲエキス / カワラヨモギ花エキス / スサビノリエキス / ビルベリー葉エキス
SERUM(美容液)

こちらのセラムは、ジメチコン(シリコン)の配合が非常に多くなっています。ジメチコンは「感触良好」を目的としており、肌に良い影響を及ぼすような成分でもありません(ただし、肌に悪いものでもありません)。これを水の次に多く配合しており、また美容成分もほとんどないため、これを美容液として商品化していることも、同じ商品開発者として、悲しくなります。つまり、この美容液は、肌にとって良くも悪くも影響しないジメチコンを塗るためだけのアイテムになってしまっています。正直、買う価値はまったくないでしょう。
- 全成分
- 水 / ジメチコン / グリセリン / プロパンジオール / (C13-15)アルカン / イノシトール / ペンチレングリコール / (ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー / フェノキシエタノール / (アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー / 水酸化K / エチルヘキシルグリセリン / グレープフルーツ果皮油 / エンピツビャクシン油 / レモン果皮油 / BG / ダイズ芽エキス / 酵母エキス / アカツメクサ花エキス / 乳酸桿菌/ブドウ果汁発酵液 / トコフェロール
LOTION(乳液)

こちらもセラム同様、ジメチコンの配合がかなり多めになっています。美容成分もほとんど入っておらず、トナーに蓋をするだけの役割のものです。
- 全成分
- 水 / プロパンジオール / ジメチコン / グリセリン / BG / スクワラン / エチルヘキサン酸セチル / アラキジルアルコール / ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル / ベヘニルアルコール / (アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー / ダイズ芽エキス / ミツロウ / アラキジルグルコシド / フェノキシエタノール / キサンタンガム / ポリソルベート60 / トコフェロール / エチルヘキシルグリセリン / 香料 / カワラヨモギ花エキス / スサビノリエキス / ビルベリー葉エキス / イソステアリン酸ソルビタン
「ReZARD beauty」の口コミ
評価:1化粧品好きなので成分など詳しいですが、今回の洗顔・化粧水・セラムは全て残念です。まず品質・成分的に考えて、この価格帯は高過ぎます。この内容ならドラッグストアで1000円で買えるレベルなのです。本当にOEM拘ったのかな… ヒカルが化粧品詳しくないのはしょうがないですが、OEMは今回利益しか考えてないのが成分表見てすぐ分かってしまいました。
洗顔は普通の石鹸系。化粧品は殆ど水。セラムは殆ど水とシリコン。
評価:1市販の化粧品ですら、もっとまともな成分入ってるから。美容液は本当に酷いし(美容液とは言えないような成分)、これで各々1本相場1万円?は言い過ぎだね。
評価:2匂いがとにかくきついです。おじさんの匂いをまとっているような感じで、ずっと鼻にまとわりつきます。化粧水と乳液の使用感は悪くないですがやはりつけた瞬間の匂いで気持ちが萎えます。。
評価:4届いてからびっくりしたのは、箱と容器の質感の良さです!!高級感があり、毎日使うのがワクワクします
製造会社「サティス製薬」とは

今回ヒカルさんとコラボしたサティス製薬という会社を一言で表すと、「質の良い商品というより売れる商品を作るマーケティング寄りの会社」です。実は私もサティス製薬の担当者と話す機会があり、そのときは、成分や処方の良さというより「独自成分だからPRできる」「売りやすい」という話が多かったので、あまり信用できなかったという思い出があります。
質よりオリジナリティ重視

実はサティス製薬というのは「サティス製薬しか扱えない成分」というものを多く持っている会社です。そのため、サティス製薬で化粧品を製造すれば、オリジナリティのあるアイテムを作ることができます。しかし、オリジナリティを重視するあまり、化粧品にとって最も大切な「肌に良いものであること」というのをおざなりにした商品を作ってしまう場合があり、今回もこのパターンになってしまったのではないかと推測します。
仕事の雑さが出た

化粧品の成分は、配合量が多い順に記載されるのですが、配合量1%以下の成分は任意で並べ替えができるため、イメージの良い成分を上の方に書き、イメージの良くないものを下の方に書くのが一般的です。しかし、「ReZARD beauty」のコスメではその並び替えがされていません。
また、コスメ発売動画内でサティス製薬の担当者が商品について説明をしていましたが、ところどころ的を得ていなかったり、漠然としていたりしていました。
これらのことから、サティス製薬の担当者がヒカルさんと細かい部分まで詰めず、きちんとチェックしなかった可能性が高いのではないかと感じました。
ヒカルさんのような芸能人がプロデュースするということがあります。しかし、芸能人だからといって、成功するわけではありません。化粧品でいくと、市場調査、ベンチマーク探し、OEM打ち合わせ、試作品比較、成分調整、価格交渉、成分・処方決定など数々のステップがあり、こうしたステップを1つずつ真摯に取り組む必要があります。もちろん、長期的な成功を収めている芸能人もいらっしゃるので、一概にはいえませんが、自身の影響力だけを頼りにしていくと、長続きはしないでしょう。「ビジネスはそんなに甘くない、消費者もバカではない」ということです。
実際、ヒカルさんも動画の中で、OEM担当から処方や成分等について初めて聞くようなシーンがありますので、しっかりと勉強せず、OEMに丸投げしてしまったのでしょう。このように自身のブランド力に依存して開発してしまうと、近いうちに他社との商品競争に負けたり、顧客対応ができなかったりして、「短い期間で稼いで、終わり!」というオチを迎えるのではないかと思います。
そもそもヒカルさんはYouTuberとしてすごい人なだけで、化粧品への想いや成分の知識があるわけではないので、芸能人プロデュース=良い商品だと勘違いしないようにしましょう。
まとめ
ヒカルさんのファンで応援したい場合は特に問題ありませんが、先述の通り、芸能人プロデュースの化粧品は現実問題、長続きしにくく、またPR費用は結局かなりかかっています。良いものを継続して使うことがスキンケアには大切だと本当に思っているので、もしこの記事を読んで、正しくスキンケア商品を選びたいのであれば、是非以下の記事で紹介しているメンズスキンケアの記事をご覧ください。